
埋もれた花園
話すべからず ささやくべからず
ここにタイムとブシュカンが花開いている
夕べどきにはやさしげに
秘密の薬草が香をふりそそぐ
黒いとげもつローズマリーにミルラ
ほっそり茎をのばすむらさきのラベンダー
また その胸に秘めたのは
すべての悲しみ 辛い嘆き
深呼吸するべからず 踏み入るべからず
月の光が格子の斑を落とした
緑と影のこの場所を
たまさか遠い夢見人が夢に見る
たまさかその暗い空を
目に見えぬ幼子の亡霊が通りさる
深い海の愛らしい海花(シーフラワー)みたいに
ふんわり ゆらゆら 揺れながら
でもその一方で うす闇とヒナゲシに包まれた
芝生の中 露を置いた頭を垂れて見張り守る
あの小さな鉛の若者が立っている
ひとり ぽつんと 微動もせずに



