
みすずさんの心にふれる
本棚から 金子みすず詩集




夕顔
せみもなかない くれがたに
ひとつ ひとつ ただひとつ
キリリ キリリと ねじをとく
みどりのつぼみ
ただひとつ
おお かみさまはいま
このなかに
花よ
花よ わたしのおはなしが
もしも ちがっていないなら
おまえはえらいはかせより
ほんとの空を 知ってるよ
いつも わたしが空をみて
たくさん たくさん考えて
ひとつも ほんとは 知らぬこと
みんな みていよ 知っていよ
えらいお花は だァまって
じっとお空を みつめてる
空に染まった 青い瞳で
いまも あきずに みつめてる

くさはら
草 原
つゆの草原
はだしでゆけば
足が あおあおそまるよな
草のにおいもうつるよな
草になるまで あるいてゆけば
わたしのおかおはうつくしい
お花になってさくだろう

