「英詩を愉しむ」より

春分

アン・リドラー

いまは 眠りとめざめの中間のとき

ふたつの季節が まだ たがいに

相手の色彩や特徴を とり合っている

このあたらしい春の 舞台装置
   
(立木の円柱 三角窓の空間 風)は

冬を背景にせりあがる

くわの実いろに ほのかに

いま 高く太陽は 

昼夜平分線を ゆれ進む

しかし まだ草花は 咲かない


ウマノアシガタは あざやかな みどりの花と

つややかな若葉を くろい地面に垂らす

テンナンショウの茂みの光は つめたく

桜草は そこここでゆらめく  やぶでは

ひんやりと 春一番の小鳥の声が ひびく

流れる雲は やなぎの花粉のように白く

三月の休閑地は ライムの花で

霜のように白い



いまは 眠りとめざめの中間のとき・・・・