
日本語に魅せられた作家
ロジャー・パルバースさんの本より


世界に誇る美しい響きの日本語

なんて美しい音色なのでしょう
(そう 日本語には音にも色があるのです)
まるで 誰かが まさに目の前で
オルガンを弾いているのが見えるようです
降ってくる雪の音は
無音の世界に近いというのに・・・
おお 胸がふるえるほど美しい!
愛への讃美歌のようです
それにしても この短歌の
日本語の美しさは
いったいどこからきているのでしょう
ひらがなと漢字の組み合わせが
心地よく流れるように続いて
すんなり読めるところにあります
この詩の美しさの核は
「恋はすみれの紫」という暗喩にあります
恋は 紫色のすみれのようだけでなく
目に映った春の夕べの
紫の色のようでもあるということです
日本語を学び
その池の深みに分け入っていくことで
ついに 底にある石の美しさをとらえた
わたしの両の目が
そのあまりの輝きにくらみました
これこそが わたしの人生における至福の喜びです
わたしは世界中のたくさんの人たちにも
この美しさを見て味わってほしいと願っています
ロジャー・バルバース