古い詩集
詩集のページをめくりますと
今の季節に合うかなと思う
とても清らかな雰囲気の詩がありました
あまり有名な詩人ではなかったようですが
純粋な表現が美しいなあと思いました

その人が読んでくれた詩です
「わが人に興ふる哀歌」
太陽は美しく輝き あるひは太陽の美しく輝くことを希ひ
手をかたくくみあわせ しづかに私たちは歩いて行った
かく誘ふもののなんであらうとも 私たちの内の
誘はるる清らかさを私は信ずる
無縁のひとたとへ
鳥々は常に変わらず鳴き 草木の囁きは
時をわかたずとするとも いま私たちは聴く
私たちの意志の姿勢で
それらの無邊な廣大の讃歌を
ああ わがひと 輝くこの日光の中に忍びこんでいる
音なき空虚を歴然と見わくる目の発明の何にならう
如かない人気ない山に上り
切に希はれた太陽をして
殆ど死した湖の一面に遍照さするのに
「沫雪」
冬は過ぎぬ 冬は過ぎぬ
匂ひやかなる沫雪の
今朝わが庭にふりつみぬ
籬 枯生 はた菜園のうへに
そは早き春の花よりもあたたかし
さなり やがてまた野いばらは野に咲き満たむ
さまざまなる木草の花は咲きつがむ
ああ そのまつたきひかりの日に
わが往きてうたはむは何処の野べ
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